もう10月

昨晩の台風は凄まじかった。築40年近いおんぼろの家に住んでいる身にとっては、本当に恐怖でしかなかった。猛り狂う暴風は部屋の窓をぶっ壊しそうだったし、家全体がガタガタ揺れて今にも崩壊しそうだった。

そんななか起こったのは、それまでの恐怖を完全に消し去ってしまうような出来事だった。

なんとなんと嵐の夜に紛れて、家にGが出現したのだ。

僕は、自分の部屋から狭い階段を降りてキッチンまで行く途中にあの黒く滑り光るやつに遭遇し、パニックに陥りほとんど階段を転げ落ちるように降りたせいで、情けないことに指を切ってしまった。そうこうしているうちにGは二階の部屋へと侵入。

しかも今まで見たことのないようなサイズのひこうタイプ。どう考えても人りで対処できるようなGではなかったので、寝酒でヘロヘロになっっている同居人を叩き起こして、二人で紙を丸めた棒を持って二階へとGの討伐へと向かった。

階段を慎重に登ってゆく同居人。僕は後ろで同居人を鼓舞する役目をになった。

部屋までたどり着き、部屋を見渡しながらGを探す。

すぐに本棚の側面でじっとしているGが見つかった。

同居人は酔っ払った同居人は、すかさずGを叩き潰しにかかった。

そしてここで二度目の悲劇が起きた。なんとGが僕の方へと飛んできたのだ。

僕は、ヒーっと短い悲鳴をあげて、体をよじって逃げようとし、足を捻った。

しかし、どうにか逃れて、手前30センチというところでGは地面に降り立ち、同居人の手によって無事屠られた。

この一連の最悪な出来事。

台風アンドG

この家での忘れられないエピソードの一つになることだろう…

僕は翌日急いでハッカの匂いがするアロマオイルを買いに無印へと向かった。