春めいてる

ここ数日の寒さと打って変わって、今日は春めいてポカポカした日が差している。今日は、ひょんなことから、グリム兄弟が編纂したドイツ語辞典をお譲りいただけることになりました。グリム兄弟といえば普通メルヒェンの収集と編纂で有名なのだけど、膨大な辞典の編纂を始めた人物でもあるのです。

今回いただいたのは、黒くて厳しい装丁の版ではなく、ペーパーバック版です。

 

 

Deutsches Woerterbuch.

Deutsches Woerterbuch.

 

 

このペーパーバック版を手に取るのは初めてだったのですが、ハードカバー版よりも断然軽くて扱いやすいです。ハードカバーの方が耐久性は優れているのですが、正直なところ、重すぎて手に取る気になりません。

各巻の冒頭には、この辞書が編纂された年代が記されています。

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第1巻が編纂されたのは、なんと今から150年以上も前の1854年。1歳年齢の離れた兄弟がほぼ70歳のときです。それも、A〜Zのうちbiermolkeまでしか進んでいません。当然、グリム兄弟の生前にアルファベットのZに到達することはできず、この辞書の完成は、後世の人々の手に託されることとなります。そして単語Zypressenzweig(糸杉の枝)で終わるこの辞典が最終的に完成したのが、世紀も変わり、二つの大戦すら終わった後の1954年です。つまりちょうど100年間。

おー恐ろしい。

そして、このような面でのドイツ人の几帳面さというか潔癖さは、恐ろしいものであります…

大事に使います。

春の

すこし遅めの入学式があったようで、大学の門では入学式の看板に並んで記念撮影をする学生とその父母が長い列を作っている。春の風とすでに新緑を予感させる緑と新入生をサークルへと勧誘する学生の声がこの時期恒例の風景を織り上げている。期待とか希望からくるエネルギーが辺り一面に充満していて、その密度の高い空気のなかをかき分けるように通ると、自分も歳をとったなぁとか、こんな時期もあったなぁとか、いろいろな思いが去来してくる。賑やかな周囲には似つかわしくないほどセンチメンタルな気持ちになってしまう。

一歩一歩できることを着実にやっていこう。

最後に昨日買った本を貼っておきます。

 

蛇を踏む (文春文庫)

蛇を踏む (文春文庫)

 

 

読む

大学生活の総決算といえば、一応卒業論文ということになる。一応と書いたのは、もはや多くの学生にとって、卒業論文は、レポートの延長線上にある1つの課題に過ぎず、卒業論文に正面から取り組もうなんて学生は数えるほどにしか残っていないからだ。他ただでさえサークル活動やバイトで学生は忙しいのに、四年生になるとさらに就職活動をしなければならない。彼らにとって、卒業論文に腰を据えて取り組もうなんて眠たいことは言ってられないのだ。就職活動という波に完全に乗り遅れた僕は、同級生から世捨て人とか、御曹司だとか、お寺の跡取りだとか噂されながら、しこしこと卒業論文を書いていた(一応断っておくと、僕はそのどれでもないです)。

すでにサークルを引退し、就職活動もしていなかった僕は、同級生よりも遥かに時間的な余裕があった。当然、その時間を使っていい論文を書こうと思っていた。そんなこんなで、心構えだけはご立派だったわけだが、進捗状況はというと夏休みが終わる頃になってもほとんど何も書いておらず、提出期限も残すとこと3か月といった状況であった。

結果からいうと、その残された数ヶ月も有意義に使うことはできず、多くの学生がそうであったように、残り1か月で、締めきりに追われるように書き上げて、なんとか提出することができた。もちろん、そんなもんだから、僕が当初思い浮かべていたレベルには、到底およばない、情けない出来上がりとなった。

自戒を込めて言うのだが、文学部の学生が文学作品を題材として扱う際に重要なことは、とにかく扱う作品(邦訳でもいいので)を徹底的に読み込むことである。僕には、圧倒的に、作品の読み込みが足りなかった。研究論文をインターネットで適当に探し、他人の論文を読み漁っているうちに、自分が作品に対して抱いている考えを見失ってしまい、何を書けばよいのか全くわからなくなってしまった。

多くの学生が指導教官に言われること、それは、先行研究を探せということだろう。たただし、そこには、作品と正面から向き合うことが前提にある。先行研究は、ある作品に対する視点や論点を与えてくれる点でもちろん読むべきものであるが、論文を執筆する上で最も重要なことは、一語一句忽せにせずに作品を読むことだ。そしてそれを通して、書きたいことを自分なりに作り上げること、遠回りに感じるかもしれないがそれなくしては、いいものは書けないんじゃないかな。というわけで、卒業論文を書く前に読んでいればよかったという、文学研究の入門書とも言える本を挙げて終わります。

 

批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)

批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)

 

 

メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』という作品を通して、様々な批評理論を紹介しているとても勉強になる一冊。一年生からでも、比較的スイスイと読みすすめることができるほど平易な文体で描かれている。卒業論文に取り組む前に一読することをお勧めします。

 

空気が微かに春っぽさを帯びる頃になると、ありふれた期待とありふれた不安の入り混じったモヤモヤが心の中で膨れ上がる。昔はこのモヤモヤがもっと抽象的で、言葉で縁取ることができなかったんだけど、同期が転職したり、結婚して子供ができたという報告を聞くと、「これだ」と思う。人生の航路を追い風を受けて走る人間と、途中で方向を見失っていつまでもウロウロしてる人間がいる。僕は後者で、前者のような人間が羨ましいし、そんな順風満帆に道を歩んで行く人によって、自分のモヤモヤが輪郭付けられてゆくことに寂しくなる。
それでも春なんだから楽しくいきたい。

寒いなぁ

隙間風がスゥーっと部屋に入り込んでくる。

暖房はゴーゴー

音だけは立派な働いてるような素振り

半纏を羽織って熱いお湯をガブリと飲みながら、本を読むんだ。

寒くってトイレに行きたくないからおしっこも我慢。

なんのこれしき

おやすみなさい