オープンキャンパス

オープンキャンパスといえば、ひと昔前は、高校生が校舎を見学してその大学の雰囲気を摑むくらいの意味合いしかなかったのだけど、最近はどの大学もこのイベントにとても力を入れている。

オープンキャンパスのためにたくさんの学生が集められて、受付や道案内、キャンパス内のツアーガイドや体験授業の補助などの仕事が割り当てられる。正門を入ると、学生のお手伝いさんが、大学名の入った手提げバックを渡してくれる。そこには、お金のかかってそうな大学のパンフレットや大学オリジナルのボールペンなどが入っている。体験授業も、各学科がいくつか開講していたりして選り取り見取りだし、学生がキャンパス内を案内してくれたりする。疲れたら休憩所も用意してあって、学食でご飯を食べることもできる。

といった感じで、もはやほとんどの大学でオープンキャンパスは一大イベントになっているのです。そして、高校生のなかには、お母さんと一緒にくる人や、一家全員でやってくる人もいる

たまたまオープンキャンパス開催中の某大学の前を友達と通ったとき、友達が、「最近のオープンキャンパスって親も来るのやばくない?過保護すぎだし、自分で進学先くらい決めろよって思うわ」と言いった。僕も「確かに、高校生の時オープンキャンパスなんてそもそも行かなかったわ」と返事をしたのだけど、後日よく考えてみると、自分もバッチリ親と行っていたことに気がついた。いやーっ地方から東京の大学に見学しにいったから親がついてきたんだろうけど、自分の記憶って当てにならないなぁと思ったよ。

それに、今の自分よりもさらに高校生の時の自分は決断力も行動力もなかったと思うと、恥ずかしいというか悲しいというか…

と同時にヒトって自分でも気がつかないうちにだんだん成長してるんだなぁとしみじみ感じた。今だったら国内であればどこでもいけるもんなぁ。

そうして、もし子供ができて、その子が高校生になったら、自分も我が子のオープンキャンパスについていくなんてこともあるのかもしれない。いやー感慨深い、そしてその時には、自分が親についてきてもらったことなんてすっかり忘れてしまっていて、子どもに、「自分が高校生の時には一人で東京まで出てオープンキャンパスにいったんだぞ」とか言ってしまっているのかもしれない。

そして、ひょんなことからそれが記憶違いだったことに気がついて、またちょっと顔を赤くするのかもしれない。

だから、これほど「かもしれない」という妄想をさせてくれたオープンキャンパスの勘違いに感謝しております。