自然にかえる

 

ルソーといえばおそらく18世紀の思想を語る上で外すことの出来ない人物だと思います。とは言え、今までルソーについては殆どかじったことさえありませんでした。ルソーについては、「子ども」という概念を発見しただとか、社会契約説を唱えフランス革命アメリカ革命に影響を与えた人物であるとか、断片的な業績がぽつぽつと思い浮かぶくらいで、殆ど何もしらない事に気がつきました。ということで、ルソーの実際の作品に取り組む前に、彼の思想の大まかな全体像を把握しておきたいと思ったので、本屋に行って岩波現代文庫から出ている福田歓一さんの『ルソー』を買ってきました。だいたい、ある思想家の考えを知ろうとする際に、原典に当たるのではなく、概説書に頼るのは知的怠慢であるといわれそうなのですが、膨大な著作をいくつも残している思想家に闇雲に取り組む時間も体力もないので、ルソーの思想の手引として、福田歓一さんの本を使いたいと思います。

まだ出だししか読んでいないのですが、福田歓一さんはルソーの思想的影響について次のように書いています。

「たしかに、感情をあらわにしない文化を作った英国人の間では、ルソーは総じて人気がない。」(4頁)

そしてそのあと、ルソーが影響を与えた思想家として名前が挙げられているのがカントとヘーゲルというドイツの思想家なのです。そして、ここには名前があげられてはいませんが、ゲーテと共にドイツ古典主義というドイツ文学の1つの頂点を築いたシラーにも明らかにルソーの影響を読み取ることが出来ます。ここではまだ深入り出来ないのですが、フランスで数々の敵に囲まれてたルソーがフランス文化に対して激しい劣等感を抱いていた当時のドイツ人たちによって積極的に受容されたというのは興味深い事実だといえます。この点についても、ルソーについて一通りの知識がついて来たらまとめていきたいとおもいます。

というわけで、今日もあまり内容のないことをダラダラと書いてしまったのですが、とにかく毎日更新することを心がけたいと思います。